I'm gonna be alright.
V6が解散する。
仕事が終わって残業前の休憩に入った時だった。
姉からLINEが来ていた。それに返信をした後、LINE NEWSをふと見た。
「V6がグループ解散へ」
何が書いてあるかわからなかった。ソースが文春だからガセネタだろう。そんなふうに思った。
しかし、FCからお知らせのメールがあったことに気がついて、URLを開いた。会員番号とパスワードを入力してログインをした。更新情報のところに「V6よりご報告」とあった。もうこの時には少し覚悟をしていた。そこには動画と丁寧に書き連ねた解散するという内容、直筆の6人の名前があった。
休憩が15分しかなかったので14分もある動画を見ることは諦め、しばらく文字だけをずっとスクロールしていた。みんな丁寧に名前を書いているな、森田の田が丸くないの初めてかもしれないな、長野くんと岡田くんは相変わらずちょっと字が下手でかわいいななんて思っていた。受け入れたくなかった。
ジャニーズ公式からの報告も読んだ。受け入れたくなかった。
涙は出なかった。
年齢のこともあるし、いつか解散するだろうとは思っていた。それは森田剛が発端であろうことも予想していた。
いつかがこんなに早いとは思ってもいなかった。
残業中は解散がずっと頭の中をぐるぐるしていた。楽な作業だったのが救いである。呆然としたまま残業を終え、車の中で初めて泣いた。
「どうして」という感情ではなく、さみしかった。悲しかった。V6がなくなることが決まったことが辛かった。
full circleとクリアを聴きながら帰った。この2曲には今の彼らが表れていると思ったからだ。すると歌詞の聞こえ方が全く違う。
「それぞれのtrain train 次の場所まで」
trainはV6を指していると思っていた。坂本くんがThe ONESのドキュメンタリーで「V6という電車」と語っていたから。でも改めて聴くと、一人ひとりの人生というtrainなのかなと思った。
「後悔はない 結果オーライ 自分に生きるしかないstyle」
剛くんらしいなと前から思っていた。後悔はないと言い切れるところも。
「正しい答えなんて一つじゃない みんなカラフルでいいんじゃない?」
V6という枠を超えてカラフルに生きてほしい。一人ひとりの人生だから。
家に着いてすぐ動画を見た。そこにはいつもと変わらないV6が映っていた。いつも通り井ノ原くんが司会をして、いつも通りふざけて、いつも通り坂本くんがいじられて、いつも通り岡田くんの滑舌が甘くて、いつも通り長野くんが笑っていて、いつも通り振られないと喋らない剛健のシルエットが小さくて。
動画の内容も、解散という言葉が出るまで少し時間はあったが、剛くんに電話番号変えないでの件やキャンプファイヤーで泣いた坂本くんと振った井ノ原くんなど、思わず笑ってしまうところもあった。大体井ノ原くんのおかげだ。
でもやっぱり健くんや坂本くんの表情は少し固かった。いつもは話している人の顔を見て話を聞く剛くんが自分のコメントが終わるまでじっと正面を見ているのに違和感があった。
動画を見て、少し受け入れられたと思う。次のステップということも納得している。それは今までV6として頑張ってきた6人の男たちを見ているから。
25年愛される自分たちでいないといけなかったと話した努力の人の岡田くん。
ファンに寄り添って、にこにこ健や三宅健のラヂオで常にファンが喜ぶことをしてくれる健くん。
パフォーマンスで魅せてくれて、自分の言葉で語ってくれる剛くん。
ふざけて場を盛り上げてくれて、V6の潤滑剤の井ノ原くん。
お水みたいな人で、いつも穏やかに見守り続ける長野くん。
リーダータイプではないのにリーダーを務め、パフォーマンスでもV6を支える坂本くん。
この6人を見てきたからこそだと思う。
彼らが望む未来はV6だけでは描ききれないほど大きいものなのだ。
25年目で「攻め」を表テーマにやってきた人たちだからV6から出ることも彼らの「攻め」の姿勢なんだろう。
自分は舞台が好きだと剛くんがRIDE ON TIME内で語っていた。好きだと明確に話す印象がなかったから驚いたが、舞台で生きていて欲しい。
森田剛のパフォーマンスはジャニーズに収まらない。もっとジャニーズではできない脇役や挑戦的な役をやってほしい。彼は舞台に選ばれた人間だ。 表舞台に立ち続けることを選んでくれてありがとう。おかげでこれからも応援することができる。
坂本くんも、長野くんも、井ノ原くんも、健くんも、岡田くんも芸能界に残る決断をしてくれてありがとう。絶対にこれからも応援していく。
正直岡田くんがジャニーズに残るのが意外だった。近年こそV6愛を全面に出しているが、やはりジャニーズだからできない役柄や挑戦できないことはあると思う。それでも残る決断をしたことには意味があるのだろう。
V6を取り戻すと語った岡田くん。
それは解散ありきであったが、25年という限界を迎えて、改めてV6が望むV6を見せてくれたのだと信じている。
ファンのためにも、彼ら自身のためにも。
去年ファンになったから、直接V6を見たことがない。生のパフォーマンスを解散前に一度は見たい。
多分彼らのMCは最後も今までと同じように適当なことを言って、笑って、しんみりなんてさせてくれないんだろう。それでいいと思う。V6だから。
でもさみしいからまだ泣こう。
やめないでって言ってもいいかな。
細々の活動でいいからV6であってほしかったな。
6人で笑っているところがすごく好きなんだ。
愛しているよ V6
桜は散り際が一番美しいという。V6も最後に最高値をたたきだす。V6の最終形が見られることほど嬉しいことはない。
ファンはV6をきちんと看取れるのだ。美しいままV6は死ねるのだ。死ぬことでV6は完成する。終わりのない物語などないのだ。
うまくいくはずさ。
#今がいちばんであること